「読む力」を育てる!説明文・論説文の指導方法-説明的文章の新三読法[3]論理よみ②「柱←柱以外」の論理関係—6つの型

「読む力」を育てる!説明文・論説文の指導方法-説明的文章の新三読法[3]論理よみ②「柱←柱以外」の論理関係—6つの型
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説明的文章の論理よみの指導過程では、「柱の段落」や「柱の文」に着目します(詳しくはこちら)。
その中で「柱」とそれ以外の箇所がどのような論理関係になっているのかを確認していきます。
この記事では、「柱←柱以外」の論理関係6つの型について例を出しながら詳しく説明します。

「柱←柱以外」の論理関係—6つの型

 ここでは、「柱の文←柱以外の文」の例文を示しながら6つの型をご紹介します。基本的に「柱の段落←柱以外の段落」の関係もこれらと同じです。

1. 柱←詳しい説明

「柱←詳しい説明」は、柱以外の段落・文が柱の一部を詳しく説明している関係です。

「柱←詳しい説明」の例

① 今、世界中でさまざまな電機自動車がさかんに研究・開発されている。
② 電気自動車は、ガソリンを使わないでモーターで走るものである。

 ②文は、柱の①文の「電気自動車」につい詳しく説明しています。

2. 柱←例

 「柱←例」は、具体的な例が柱を支えている関係です。
 具体的な例示は、説明文の場合は、文章をより理解しやすくする役割、論説型の場合は説得力を高めるための役割を担っています。

「柱←例」の例

①安藤くんは、大学を代表する優れたスポーツマンだ。
② 例えば、100メートルを10秒9で走る。
③走り幅跳びも9メートルを超える。
④水泳でも100メートル57秒を切る記録をもっている。

 柱の①文での「安藤くんは、大学を代表する優れたスポーツマン」であることの例を、②③④文で実際に示しています。

3. 柱でまとめる

「柱でまとめる」は、柱以外の部分が柱にまとめられている関係です。

「柱でまとめる」の例

① 鈴木さんは、ヨーロッパ留学をしていたので、フランス語・ドイツ語が話せる。
② その上タイ語も話せる。
③母国語は日本語だから、鈴木さんはつまり四カ国語が話せるということになる。

 ①②文で述べた内容を柱の③文でまとめています。③文は「フランス語が話せる」「ドイツ語が話せる」「タイ語が話せる」を受けとめつつ、「日本語が話せる」を付け加え「四カ国語が話せる」とまとめています。

4. 柱←問い・予告

 「柱←問い」は、問いかけによって柱である答えを導き出しています「柱←予告」は、柱である答えに向けてこれからどういう説明をするかを予告するものです。
 つまり、「柱←問い・予告」は、問いを示したり予告をしたりすることで、読者にこれから説明することがらや答えを受けとめる準備をしてもらうのです。急に説明が始まったり答えが提示されたりする場合よりも、読者がより理解しやすくなります。

「柱←問い」の例

①魚には色が識別できるのだろうか。
②実験の結果、魚にはかなりの色が識別できることが証明されている。

 ①文での問いに対して、②文で答えを述べています。

「柱←予告」の例

①まず、和紙のよさについて考えてみましょう。
②和紙には、洋紙とくらべて、やぶれにくく、長もちするという二つのとくちょうがあります。

  ①文で次の柱の②文で述べる内容の告知をしています。

5. 柱←補足

 「 柱←補足」は、柱以外の部分が柱を補足しているものです。柱で述べていることに軽く情報を付け足します。

「柱←補足」の例

①最近のアジア諸国の発展には目を見張るものがある。
②ただし国によって若干の差はあるが。

  ②文は、柱の①文の内容を補足しています。

6. 柱←理由・原因・条件・前提

「柱←理由・原因・条件・前提」は、理由や原因が柱を支えたり、柱を導き出したりしているものです。

「柱←理由・原因」の例

①A市では、住民当たりの自動車の保有率がたいへん高い。
②それは、A市では自動車がないと生活しにくいからだ。

 柱の①文の理由を、②文で述べています。

「柱←条件・前提」の例

今年後半は、大幅な円高が予想される。
②しかし、政府が適切な経済政策をとることは期待できない。
③したがって、暮れまでに多くの輸出関連の中小企業が倒産してしまうことは間違いないだろう。

 ①文と②文の二つの前提にもとづいて、柱である③文の結論を導き出しています。これは論説型の場合に重要な位置を占めます。(二つの前提から推理をし結論を出すものを「間接推理」と言います。)

論理関係の板書での示し方

 「柱←柱以外」の論理関係を板書で表す際には、次のように柱以外の箇所から柱へ向かって矢印を用いて示します。

柱がない場合もある

 事例を列挙しただけの本論や段落などでは、柱に該当する段落や文がないこともあります。その場合は、そのことを軽く確認する程度に止めるか、簡単に図を使って段落相互や文相互の関係を確認する程度にします。

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最後までお読みいただきありがとうございます。
論理よみの次は「吟味よみ」です。

執筆者

国語科教育研究者
国語の教師・国語科教育研究者として、40年にわたり国語授業の研究・実践を行う。全国各地の小・中・高校や教育委員会等を訪問して行った授業の助言・指導、講演は1000回を超える。