全員参加の授業をつくる!「共有化」の4つの方法
「共有化」を意識するだけで授業が劇的に変わります。
この記事はこんな方におすすめです
- 授業の展開についてこられない子どもが何人かいる。
- 授業に積極的に参加している子どもとそうでない子どもの差が気になる。
- 全員参加の授業をしたいと思っているが、なかなか思いどおりにいかない。
授業で必ず「共有」すべき二つのこと
全員参加の国語の授業をつくる上で意識したいのは、「教材」と「課題」の共有化です。
子どもたちが授業に参加できなくなってしまう大きな理由の一つが、今、教材のどこをみんなで問題にしているのかわからなくなるということにあります。また、今、みんなで何を課題として考えているのかを把握できていない場合も、子どもは授業から降りてしまいます。
そういう子どもが一人もいない状況をつくり出すことが、教師の重要な役目です。それを克服する鍵の一つが「共有化」です。
授業で必ず「共有」すべき二つのこと
- 今、教材のどこを問題にしているかを共有「教材の該当箇所の共有化」
- 今、何を問題にしているかを共有「授業展開の共有化」
授業をスムーズに進める「共有化」の四つの方法
共有化は、さまざまな方法で多角的に行うことが大切です。
1.「耳」で共有する
「◯◯ページの◯行目だね」
先生は授業で教材を取り上げる場合、必ず「◯◯ページの◯行目だね」と該当箇所のページと行数を告げ、全員で確認することを促します。
そして、子どもたちにも「ページ数と行数」を発言に付け加えるように指導します。
ページ数と行数を言い忘れている子どもがいた場合は、即座に「それは何ページの何行目?」と確認します。
「今は鉛筆を置いて、話を聞こう」
友だちが発言する際に、板書をノートに写すなど別の作業をしている子どもがいることがあります。その子どもは、友だちの発言を聞いていません。
共有化は大きく損なわれ、その子どもは授業展開についてこられなくなります。その場合は、「今は鉛筆を置こうね」などと指導することが大切です。
「◯◯さん、□□さんの意見を説明してもらえないかな?」
発言している子どもの発言の意味が周りの子どもたちにうまく伝わっていないことがあります。たどたどしい言い方だったり、難しい言葉を使っていたりする場合です。
その場合は、理解できていそうな子どもに「大事な意見だと思うんだけど、先生よくわからなかったな。◯◯さん、□□さんの意見を説明してもらえる?」「◯◯さんの意見をだれか説明してくれない?」などと促し、言いかえてもらうようにします。それも共有化の方法です。
それが難しい場合は、先生が「なるほど、こういうことだね」と意味づけ共有化をはかります。
2.「目」で共有する
「◯◯ページ・◯行目」を板書に明記
教材の一部を板書する際には、必ず「◯頁・◯行目」もいっしょに書くようにします。
補助黒板を活用する
「クライマックスはAかBどちらか」といったような検討を行う際に、補助黒板などに教材の該当箇所の拡大プリントした本文を貼って確認できるようにします。
そのこと自体が共有化を助けますが、同時に補助黒板に貼った本文の中で今問題になっている箇所に丸をつけたり線を引いたりして注目させます。
子どもの発言をキーワード化して板書
子どもが発言したことをキーワード化して板書していきます。板書自体が重要な共有化のツールです。
授業の流れを把握しやすい構造的板書の実践方法を解説しています。
3.「口」で共有する
該当箇所を「一斉読」させる
教材の重要箇所については、子どもたち全員に「一斉読」をさせて確認するという方法が有効です。該当箇所が補助黒板などに掲示してある場合は、そこに全員の視線を集めて一斉読します。
授業で集中力を高めるためにも一斉読は効果的です。
学習課題を再確認したい場合などにも「一斉読」
授業の中で検討の中身が、課題から逸れていってしまうことがあります。
そういう時には、今検討していることが本時の学習課題とどうつながるかを再度確認するために、板書の重要箇所を一斉読させることが効果的です。
①全員の視線が黒板の該当部分に集まっているか ②全員の口がしっかり動いているかを確かめることが重要です。
4.「手」で共有する
重要箇所などに線や印をつけさせる
教材のなかでも特に重要な箇所や問題としている該当箇所に線や印をつけさせることで、共有化を促すことができます。
「ここはとても重要なポイントだね。教科書のその部分に線を引こう」などと指示をします。
学習課題や重要発問などを視写させる
学習課題や重要発問などを視写させることも、共有化につながります。板書の重要な記述、キーワードなどを視写させることも同様に効果的です。
板書の視写は、授業の終末にまとめてさせるだけでなく、共有化させたいときには(授業のテンポを乱さないようにすることに配慮しつつ)授業途中でも指示をします。
初めは意識するのが大変ですが、だんだんと慣れてきます!ぜひ授業で取り入れてみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
動画でも紹介しています⇩よかったらご覧ください。