[無料ダウンロード]『鳥獣戯画』の豆絵巻をつくって、絵巻物を体験しよう!

[無料ダウンロード]『鳥獣戯画』の豆絵巻をつくって、絵巻物を体験しよう!

 小学校六年生の国語教科書(光村図書出版)に掲載されている説明的文章教材「『鳥獣戯画』を読む」。国宝の絵巻物『鳥獣戯画』をアニメーション監督 高畑勲が独自の視点で解読・解釈しています。

 この教材への理解や吟味を深めてもらえたらと思い、簡単に『鳥獣戯画』の小さな絵巻物をつくることができるPDFのダウンロードデータを作成しました。
 先生や大人がつくることはもちろん、子どもでもつくることできます。(作業時間は15〜30分ほど)

『鳥獣戯画』豆絵巻の作り方

 豆絵巻の出来上がりサイズは、A4サイズの紙でつくった場合は8cm程度(手のひらにのるサイズ)、A3サイズで作った場合は11cm程度です。

事前準備

下記のものをご用意ください。

PDFダウンロード

下記より『鳥獣戯画』豆絵巻のPDFデータをダウンロードして、A4(またはA3)用紙でプリントアウトしてください。

 ダウンロードデータには2種類あります。お好きな方をダウンロードしてください。

1.紙を切り分ける

線に合わせてカッター(またはハサミ)で紙を切り分けます。

2.芯棒を紙に貼り付ける

(1)芯棒になる竹串をハサミを使って8㎝の長さにカットします。A3サイズでつくる場合は11cmにカットします。

竹串をカットする際、切れ端が勢いよく飛ぶ場合があります。お気をつけください。

(2)黒いマジックで芯棒(竹串)の両端を塗ります。

(3)豆絵巻の最後のページの「芯棒」と書かれた箇所の裏側に、芯棒(竹串)をテープでしっかりと貼り付けます。

(4)芯棒をテープで固定した後、写真のように紙を折り曲げ、「テープ貼付」と書かれた部分にテープを貼ります。

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  Point
芯棒は動かないようにしっかりとテープで固定します。固定が甘いと、紙を巻き取る際にうまく巻くことができなくなってしまいます。
また、棒が紙に対して垂直でないと紙を巻き取る際に巻きにくいため、曲がらないように注意してください。

3.表紙をつくる

(1)豆絵巻の最初のページの青線部分を山折りにし、内側にのりを付け、貼り付けます。

(2)表紙の黒丸の部分に(竹串や目打ちなど尖ったもので)穴を開けます。

4.ページを貼り合わせていく

のりしろ部分にのりをつけ、順番に貼り付けていきます。順番を間違えないよう注意してください。

両面テープでもOKです。

5.表紙に紐をつける

表紙の穴に紐を通します。長さは最後に調整するのでまだ切らないでください。

6.豆絵巻を巻いていく

(1)豆絵巻のページをすべて貼り合わせ(のりが乾いたら)芯棒部分から写真のようにくるくると巻いていきます。

芯棒の片側を回すときれいに巻くことができます。

(2)巻きおわったら、紐を豆絵巻に3周ほど巻きつけ、とめます。余分な紐はカットします。

これで豆絵巻の完成です!

7.絵巻物を体験する

実際に絵巻物を鑑賞する際には、紙を右手で巻き取りながら、左手で開いていきます。

場面ごとに鑑賞し、次の場面に移ります。
右から左へと時間が進んでいきます。

授業での活用方法

 授業では、単元の最後に行う「吟味よみ」で活用していただくのがおすすめです。

 「『鳥獣戯画』を読む」では、4段落で「『鳥獣戯画』は、漫画だけでなく、アニメの祖でもあるのだ。」という筆者の仮説が示されます。

『鳥獣戯画』は、漫画だけでなく、アニメの祖でもあるのだ。(第4段落・④文)

 この仮説は、ページの同じ位置に1枚目と2枚目の絵を配置し、読者にページめくらせアニメのような動きを体感させることで論証していました。
 さらに第4段落・⑨文でも「実際に絵巻物を手にして、右から左へと巻きながら見ていけば、取っ組み合っていた蛙が兎を投げ飛ばしたように感じられる。」と仮説を論証していました。

絵巻物を体験して、自分の考えを持つ

  では、「実際に絵巻物を手にして右から左へと巻きながら見てみると、絵の見え方・感じ方はどう変わるでしょうか。

 最終的には筆者の「『鳥獣戯画』は、漫画だけでなく、アニメの祖でもあるのだ。」という仮説に納得できるかどうかを一人ひとりが考えていきます。

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ぜひ授業などでご活用ください!つくった方はぜひSNSで「#豆鳥獣戯画」でシェアしてください。

📕注:「『鳥獣戯画』を読む」本文は、小学校国語教科書『国語六』(光村図書出版,2015年)による。

※豆絵巻のダウンロードデータは、著作権が消滅した『鳥獣戯画』に関する本等から抜粋、編集し作成しました。
ダウンロードデータの再配布・商用利用等を禁じます。

執筆者

国語科教育研究者
国語の教師・国語科教育研究者として、40年にわたり国語授業の研究・実践を行う。全国各地の小・中・高校や教育委員会等を訪問して授業の助言・指導や講演を行なっている。